毎年クリスマスが近づくと



誰もいない707号室のテーブルに


あたしは小さなツリーを飾る




天使がそこに降りてくる気がして



幸せをそっと運んで来てくれる気がして





毎年クリスマスが近づくと



あたしは奇跡を空に祈る



天使もサンタもほんとは信じていないけど






ナナがレンと出会えた夜だから





ただ

会いたくて

会いたくて

会いたくて

何度も

この部屋へ続く

あの道を歩いた



ナナ




今すぐ会いたい




ねえ ナナ



たとえ何もしてあげられなくても



ナナの寂しさを分かち合いたい



もう一度



この手を繋いで




ねえ ナナ



ナナと過ごせる新しい年を前に



あたしは希望でいっぱいだったの



だけど悲劇へのカウントダウンは



すでに始まっていたんだよね




それは本当に少しづつ




静かに降り積もって行く雪のように




ねえ ナナ



いくら探しても見つからなかった


ナナの行方を示す鍵が



探すのをやめた今


ようやく手に入ったの



あたしから



扉を開けてもいい?





ああああああ