ねえ ナナ


その時確かにナナの歌が聴こえたの


てんとう虫のサンバのパンクバージョン


だけどもう今は何も聴こえない



あたしの声ももう届かないのかな




ねえ ナナ



あの日ナナの寂しさを見抜けなかったのは


心が透けない眼鏡のせいじゃない


ナナを理想化した あたしの勝手な思い込みが



すでにあたしの目を大きく狂わせていたの




ねえ ナナ



今でも時々街角で

誰かとすれ違いざまにナナの幻を見るの



ナナはきっと今も あの男物のコロンをつけている



独りでも眠れるように




ねえ ナナ


もしもナナの消息が暴かれたら


ナナがまた傷つくのは目に見えている


だからあたしはもう探さないよ




ずっと待ってる




ナナが再び立ち上がる日まで




ああああああ