NANA COMICS #20
   コミックス20巻 2008年9月17日 第1刷発行
* 第74話 *
未来。タクミの部屋にナオキが訪ねて来る。少年の名前が「レン(蓮)」と判明。レイラが少年レンのギターでだけ歌う事実も判明。
現在。一ノ瀬家にて、レンにより、奈々の子が「皐」と命名される。詩音が新宿駅前で美里に会い、そのままマンションの部屋へ。ヤスが駆けつける。
レンが「トラネスを抜けようと思う」と言い出した・・・。奈々はナナと電話で「もうすぐナナの誕生日だね」と会話。ナナの元まで会いに行くことになった。

* 第75話 *
結局ヤスはすぐに帰る。タクミがレイラを呼び出した。その間、薬の件で2人で話し合う。レイラが来て、寝ているレンのそばでタクミとああだこうだと言い合い。タクミが退出、レンはトイレで薬・・・必死に止めるレイラ。すぐそばにいるレイラ、でもナナに会いたい、レンの苦しみ。
明日のナナの誕生日、一緒に大阪に行こうとレンに電話をする奈々。その会話を聞いていた木下が、車を大阪へと走らせる。。。

* 第76話 *
レンの説得で、木下は進路を戻す。。。美雨が香港から帰国。朝海が映画の主演のため、契約を更新した。ノブとは問題なく和解。
レイラが「レンを休ませるように」とマリにメールを残し、故郷(?)へ一人戻る。タクミが帰宅、その様子に「やっぱり行けないかも」とナナに話す。レンは急いで自宅へ戻り、プレゼントの小さな包みを持って、再度出かける。レイラはシンからのメールでまた涙。

* 第77話 *
サーチの倉田、美鈴と接触。美里が家出してることを話し、ナナを捨てた理由を聞く。トラネスが仕事をキャンセルしたことがサーチ工藤の耳に入る。三宅と菅原が、レンの車を追跡。
空広、美鈴と話し、美里を連れて戻って来いと説得。美里は詩音の部屋で、兄への想いを話し、詩音の考えも聞く。その後、美鈴は迎えに。
レン、車を運転しながら奈々と電話。追跡を振り払いたいがためにスピードを上げ、倉庫街でナナの幻を見、そのまま激突・・・


まえがき
20巻発売は19巻の4ヶ月後。なんかすごい早く感じたわ〜・・・20巻ラストの77話なんて、ついこないだ読んだばっかなのにね。でも嬉しいっす!!!久々にリアルタイムで更新できるのも、これまた嬉しいっす!!!

今回、びっくりなのは一巻を通して、24時間ほどしか経過してないこと(汗)。。。ナナ誕生日までこんなにじらされるとは、かなり予想外でした。じらしたなりに、いろんな人のいろんな心理が入り混じってたけどね。

クッキーで各話読んで、感想も書いてるので、ここしばらくいつもコミックではどう書こうか、いろいろ考えてました。クッキーと同じように書くのもどうしても重複するのが、やっぱり「何だかな〜・・・」って思って。コミック派の方もいらっしゃるだろうから、それはそれでいいのかもしれないけど、やはり、クッキー派の方々にも再度、楽しんでもらえるような感想が書けたらいいのにな、とずっと思ってました。

流れに沿ってづらづらと書くのはコミックではやめにして、ちょっと今回は違った形で書いてみようと思います。また次の巻では変えるかもしれないけど。試行錯誤中ってことで、大目にみてやってください。。。


感想
★未来シーン

衝撃の登場で読者を騒がせた(?)少年の名は「レン(蓮)」と判明!!
その瞬間、私の思いは「ほんとに名付けたのか?!?!」でしたね〜・・・そしてそのことにより、「本城蓮死亡」が段々確実なものに・・・この未来編の様々な謎については、クッキー#74をご覧くださいませ。

昔、レイラとレンが話した場所、公園。そこでレイラがレンに語りかけ、明るく振り向いたベンチには誰もいない。涙するレイラの背景でナナのモノローグ、「ねえ レン 何か言ってよ」がレイラとかぶるのが何だかやな感じーーー!!!両方が思ってることなのかもしれないけど、モノローグがかぶる感じが許せない(笑)


★レン、奈々の子を「皐」と命名

「だっておれの子かもしれないし?」とのレンのセリフにまじ焦りのタクミにウケた。最初読んだ時はさらっと流したけど、タクミには「自分とノブと、どっちの子かわからない」というキッツイ事実があるわけで(奈々にもだけど。)、冷静に考えるとありえないレンのボケも、タクミにとっては「しゃれにならん」わけですな。そりゃ箸からおかずも落とすっちゅーもんで。普段は「はいはい、」ってさらっと流してそうなのに、そこまで真面目に焦ってるタクミがこれまた何気にツボ。


★タクミ&レンの車内での会話

一ノ瀬家から自宅に戻るレンを送るタクミ、その車内での2人の会話。
レンのセリフ、「寂しいに決まってるよ 城を守るために大事な妹を抱くなんて」の後、そして「おまえはほんとにすげえよ」の後のタクミの表情がちょっと気になってたんだよね。

レンはレイラから話を聞いて知っていたのか、そこはわからんけど、結局これは「タクミとレイラは一線を越えた」ってことを意味してるのかな。そこは認めたくないのが個人的な見解なんだけど(汗)。そこはまあさておき、「寂しいに決まってるよ」と言われ、きっと寂しいよりも「虚しさ」を感じていたんじゃないかな、と勝手に考えてます。独裁的で俺様のタクミ、きっと誰にも自分の底にある思いなんて話せない。その底の部分をズバリ突かれたんじゃないの??

そしてその後の「おまえはほんとにすげえよ」では、若干焦ったような、ドキッとしてるような表情。これは、そんな虚しい自分に「呆れてる」、また、「よくそんなことができるよな」って言われたように受け止めのかも。けど、「その仕事に対する捨て身の覚悟がね」で、「ああ、そーゆーことか」ってことでその後の会話に進んだのかな、って思った。

このあと、レンの部屋でトラネス脱退のこと、薬のこととかタクミと話すんだけど、

「ナナに会いてえ・・・」

と言うレン、膝を抱えて俯いてるけど、どんな表情してたのかなあ?そこんとこ、すごい気にならない???見せられない顔だったの??ってことはどんな??いやーー見たかったなあ!!


★タクミとレイラ

クッキーで散々言いたい放題言ったので、ここでは一言だけ。まあ、要するに「言い忘れ」ですな(笑)

「おまえと一緒にいたいんだよ」 と 張り付いたような営業スマイル 

わずか1コマだけどドン引きしました。そこに気持ちが入ってないのがよおーーくわかる。しかも背景キラキラしょっちゃって!「ふざけないで」ってレイラもそりゃマジ怒りするわ!「あら、怒っちゃったよ」って顔のタクミ、そりゃ怒るわ!
しかし、そのわずか1コマで、表情だけで心理まで表す矢沢さんが、今更ながらにほんとにすごいと思います。


★香坂百合、映画主演

映画ってなんぞや?!って思ったら「隣の奥さん」だったとは・・・いやはや。
まあ、それはおいといて。この一連の朝海ってなんかすごいスキなんだよな〜〜。。。

ノブに話したら絶対反対される、分かってもらえなかったらやる気も失せる。ずっと言いたくても言えなかった気持ち。何だかんだ言っても、今の仕事にやりがいを感じてるわけだよね。ポルノをばかにしないで、と美雨に言うのも、自分の仕事を恥じていない証拠。すれたところもひねたところもないし、ものすごくいい人なのはよくわかる。でも、それを男のノブから見て理解してもらえるか、というと、決してそうではないだろうと思ってたんだろう。

それが予想外にもシンと一緒に大はしゃぎ。かなり複雑だろーね〜・・・反対されてもやだし、喜ばれても、、、みたいな?

「あたしより琴音のが好きなの?」

のところ、かなりスキなんですけど!!!ちょー可愛い!
何の相談もナシに契約更新したこと、申し訳なく思ってたんだろうなあ。「大スクリーンで真っ裸で男と絡んでも平気なの?」「AVだって出続けるんだよ?いーの?」その気持ち、よくわかる!!私情を絡めず、仕事として受け入れて認めてもらいたい。「がんばるから・・・映画は見てくれる・・・?」に「当たり前だよ!」と言われ、泣きじゃくる。ほんとに可愛いなあ〜〜♪♪

けどノブ、「前より免疫ついてきた」とは言ってるけど、ホントに平気なのかな??大人になったんだね〜〜って思いたいとこなんだけど、本心なのかどーなのか・・・「朝海が嫌じゃないならAVだって見るよ!」ってほんとにか〜?!?!(←疑い) 全国のビデオショップに火をつけて周りたくなるって言ってたくせに。「隣の奥さん」だからいいのか??うーーん・・・
まあ・・・、ほんとに?・・・平気なら?・・・それで?いいんだけど??


「勝手に」ナナの心理分析
レンと音信不通になって1ヶ月も経ったんだ・・(汗) 共感できない部分が多いナナ心理だけど、とりあえず考えてみます。

レンが花の名前を子供に付ける気でいたなんて知らなかった。子供を欲しがっていることはずっと以前からわかっていた。でもその望みをあたしは叶えてあげられない。いつかは叶えられるのか、それすらも考えられない。そしてそんな具体的な考えまで持っていたなんて、知る由もなかった。奈々の口から知ったのは多少なりともショックがあったと思う。

自分の誕生日も忘れるほど忙しく、当日も地方にいる。何気に言った、本気じゃなかった(だろう)のに「来れば?」の一言に真面目に喜び、その気満々になる奈々の気持ちが、ほんとに嬉しかった。一緒にお好み焼きを食べに行けたら最高だな、ととても楽しみにしていた。

毎晩毎晩、夢でばかり会いたくないのに、また見てしまったのはレンが東京に旅立つ日のこと。その後味の悪さを消したくて、再会してからの日々を思い返す。積み重ねてきた甘い愛しさ、それと同時に振り出しに戻された虚しさ。せっかくここまで一緒にやってきたのに、また「あの時」と同じ状況になってしまった・・・いや、同じじゃないんだけどね〜〜っとここは管理人の意見。ナナはほんとに、「突き放される」(←この表現が適切かどうかはわからんが)とダメなんだな。

「おまえはおまえの好きに生きりゃいいさ」(3年前)
「そんなヤツの後ろでベース弾きたくねえ」(1ヶ月前)

この言葉で、自分からレンの元に行けなくなってるわけでしょ??そして「拒絶される」ことも極端に怖いわけだ。だからなおさら自分から行けない。まあそりゃ誰でも自分を拒絶されるのは怖いけどさ、ぶつかっていくことの大事さもわかるやん?ナナにないのがそこなんだよな〜〜。。。

3年前と同じ答えを出したくはない。だけど、あの時選んでしまった道が、今もどうしようもなく続いてる・・・ってことは、
「今も変われない自分がいる」ってことだ・・・。それでも、「このまま何も変えられないまま、年だけ取って行きたくない」とは思ってる。そこまで自分でわかってるのに、レンの所に帰るにはどうしたらいいのか、わからない。本気で怖い。

ナナに必要なのは、今も未来もただひとつ、「勇気」なんだよね。それだけ。まあ、簡単なことじゃないのはわかるんだけど。
怖がってたって、事態は何も変わらない。変えるのは自分。変えられるのも自分。それには「行動あるのみ」だよ。それをしないことには結局変わらないまま。ナナの場合、その「行動する勇気」が欠けている。
自分でも、モノローグで言ってるもんね。

今欲しいものはただひとつ  もう一度 立ち向かう勇気

ってな。未来ではなく、今現在でもそれを願って欲しかった・・・

今回レンに会うのが怖いのは、「自分自身の欲望が怖い」わけなんだ。レンの全てを奪い尽くしそうで。あたしより大事なものがあることが許せない。全てを犠牲にしてもあたしを愛して欲しい。あたしが死んだら一緒に死んで欲しい。抑えがきかないあたしの望み・・・じゃああたしがレンにしてあげられることは何なのか。もうひとつしか思い浮かばない。


・・・・・・






って、なんでそこで「別れる」ことになるんだよっっっ!!!!








〜〜〜〜っっ ・・・・・



ほんとに全然わかってないっっっ!!!! それがレンの為に、と思ってるところがびっくり!!

「いつかレンと2人であの港の倉庫街に戻りたいのに どうしてこうなるんだろう」







    こっちが聞きたいわっっっ!!!!









・・・・・すいません、怒ってるわけじゃないんですヨ(そうなの?汗)
勇気を出しなさい、勇気を!!!!!っと激しく訴えているわけです。。。今後の課題ですね・・・・

しかし、あの77話のラスト、、、果たしてレンとナナが再び話すことができるのか?!?!


レン
今回、20巻の主役はある意味レンだよね。
「皐」の命名、トラネス脱退宣言、ドラッグ、レイラ仕事ボイコット、そして倉庫街に激突・・・・(号泣) これで最後の姿なのか、と思ったら悲しくて悲しくてしょーがないよ。まだ78話を読まないとわからない部分も多いけど、もう「死亡確定」で間違いないやん(泣)嫌やけど(泣)

クッキーでいろいろ考えたレン、今はまだ他に思い浮かぶことがないのでここでは特に語りません。

・・・・レンの心理を考えるのも、これで最後なんか??って思ったんだけど、それでもやっぱり同じ内容になるので、クッキーの感想をご覧いただければ、と思いまする。


モノローグ
初めて 「ねえ レン」 っと来ました。悲しすぎます。ナナの自殺未遂はやはり、「後追い」だと自分の中で確信しました。

今後は悲しい出来事ばかりが待ち受けている気がするけど、それでもきっとそれをちゃんと乗り越えると思うので、最後はみんなハッピーであると信じたい。コミック前半(?)のみんなが楽しい頃(?)が、また戻ってくると信じたい。あの謎の未来シーンの数々とどう繋がるのか、楽しみに読んで行きたいと思う。