NANA 2005年  114分
ドラマ/青春/音楽
  監督 回 大谷健太郎
出演 回 中島美嘉 / 宮崎あおい / 松田龍平 / 成宮寛貴 / 玉山鉄二 / 松山ケンイチ / 平岡祐太
□■矢沢あいの同名コミックを映画化した青春ストーリー。
東京に向かう新幹線の中で偶然出会った小松奈々と大崎ナナ。20歳同士で同じ名前だったことで意気投合する2人。生い立ちや価値観の違うふたりの「NANA」の運命的な出会いから始まる物語を、フレッシュで個性溢れる、魅力的なキャスト陣を迎えて描く。
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+++ 管理人* かじぇんのあくまでも個人的な感想 +++

【 ネタバレ大アリです 】 映画未見の方、ご注意ください。。。


ずっと楽しみにしていた映画、ようやく観ました。
普段なら劇場ではいろんな予告編とか普通に見てたけど、今回ばかりは「まだかよまだかよ」って思ってました(笑)。

私は以前からいろいろ映画を観てますが、原作と比べてどうこう批判したり、文句を言ったりすることは基本的にしたくないので、今回もなるべくそのつもりでいます。キャストについても、思うことはそりゃいろいろありますが、今さらあえて言うつもりはありません。けどついつい出たらごめんなさい(汗)。。。

いきなり全体的な感想を述べますが、
この映画をやる上で、すごく気になったのが、どんな構成でどんな展開になるのだろうということでした。原作では1巻の後半、「ナナ」でのレン&ナナの出会い〜別れまでが、「現在からの回想シーン」となっていました。それがところどころで小出しにされていて、すっごくうまくまとめて作られてるな、と感動しました。
その回想シーンがあって、それで現在のレン&ナナが元に戻る、そこがとても自然な流れで、私はよかったと思います。

奈々はというと、いきなり上京列車に乗り込んでくるので、ちょっとびっくりなんだけど、それも携帯での章司との会話、その後のナナとの会話で状況はちゃんと理解できると思いました。

本編開始はいきなりブラスト(レンがいる)のライブシーン。
ライブで始まるからには、その後の打ち上げもハイテンションな流れかと思いきや、何かすんごい冷めたというのか、クールというのか、よく言えば落ち着いてるというのか、そんな空気が流れていて、すごく出だしから微妙〜な感じで先が心配になりました(汗)・・・。ノブが一人ではしゃいでる感じ。。。
原作漫画特有のテンポ、テンションの高さ、そういうことはやはり実写では難しいんだろうなあ、と残念だけど思いますね。

すごく気になったのが「章司の気持ち」。
映画版では「ただ浮気した奈々の彼氏」となってます。ここはどうしても比較してしまうなあ。ごめんなさい。
章司の奈々に対する不満、幸子が気になるけど、でも奈々を傷つける、裏切ることなんかできない。いけないと思いながらも幸子を抱いてしまった。などなど、奈々と幸子に挟まれた章司の心の葛藤がまったく描かれていませんでした。
ただ普通にバイト先で幸子に出会って、そしてそのまま幸子に流された、って感じだったのがすごく残念。

浮気発覚、奈々の「いらない」のシーン、その後の奈々の悲しみは、逆に漫画よりもすっごく伝わってきた。思わず涙が溢れました。
「いらない」と奈々が言った後、もうナナには何も言う言葉はなかった。泣きながらよれよれで歩道を歩く奈々を、ナナが無言で支え、そしてベッドにもぐり込んで泣きじゃくる奈々をも、ただひたすら無言で見つめ、そっと隣に横たわり、「よしよし」という風に抱きかかえるナナ。奈々の悲しみもそうだけど、そんなナナの姿にもすごく涙が溢れました。

前半は奈々、そして後半はナナって感じでしたね。
トラネスのライブに向かうナナの複雑な思いも、回想シーンがあるのでよくわかると思いました。ナナの語りが入ったのもすごくよかったです。

トラネスのライブシーンとリンクして、レンとナナの別れの場面、あれは泣けたなあ〜(泣) BGMがレイラの歌だったのも良い!!
とにかく、トラネスのライブがすんごいよかった!!あれはほんとによかった!私はレイラがすごくお気に入りになりました。あのステージでのたたずまい、歌声、新人さんとは思えない存在感を感じました。あのライブだけでももう一度見たいと思います。ただ、その後の英語のセリフはかなり意味不明ですけどね(笑)。。。
・・・・・・・タクミ〜〜!!出番少なっっっ!(泣)

ついにやってきたレン&ナナの再会シーン。シチュエーションは違いましたが、あれはあれでよかったと私は思います。ナナはこれで終わりと考えていた。鍵を返してそのまま帰るはずだった。だけど突然レンが追ってきた。「何で?そんなつもりないのに!」という気持ちは、抵抗するあのわずかな行動で表れてる。だけど、レンの気持ちもナナの気持ちもあそこで言葉はなかったけど、しっかりと通じ合った。いや〜、いいんじゃないっすか??♪

あの終わり方には確かに賛否両論、あるだろうなあ。
微妙なとこだけど、途中で切るにはあそこで切るしかないだろうと、確かに思います。
原作ではかなり「前振りの部分」を映画でじっくりやった、って感じかな。

購入したパンフレットの、監督インタビューに書かれてました。当然、原作通りにできることとできないことがあります。そんなジレンマの中、どうやって映画化に向き合ったのか、そんな想いを観て欲しい、と。
もっともだと私は思います。万人が満足するキャストはまずありえないし、そして完結していない原作なんだから、映画は映画として割り切ることが必要だと思います。

私は一本の映画として、楽しめましたね♪ 続編も期待します。 近々、もう一度観にいくつもりです(笑)

`05.9.4