NANA COMICS #7
   コミックス7巻 2002年10月20日 第1刷発行
* 第21話 *
ブラスト、3度目のライブ。人気は絶大なものへとなりつつあった。ガイア・レコードの川野さん初登場。契約の話でメンバーと食事へ。 打ち上げの準備をしていた奈々はまたしても空回りと落ち込み、タクミの元へ「会いたい」と電話をし、出かけていく。入れ違いに帰ってきたナナは、冷蔵庫を見て奈々に申し訳なく思う。 タクミと奈々が会ってる同じ頃、シンとレイラも・・・。

* 第22話 *
朝早く、ノブの部屋へナナが奈々の料理を持って行く。そっとタクミの元を離れる奈々。 部屋に戻ると、ブラストの契約が決まり、みんなで祝杯を上げていた。ナナはバイトで不在だったが、細かな現実問題を話し合うメンバーたち。 シンがノブと奈々に買い出しを頼む。気まずい二人だったが、奈々は気持ちを吐き出し、ノブはどうしたら諦められるかわからない、と奈々を抱きしめる。幸せになるんだ、と、タクミにさよならを言う事を決める奈々だった。

* 第23話 *
ヤス、バイトから戻ったナナにさっさと契約しろと言われ、シンの素性を知り、そして美里にふっかけたつもりがほんとに「偽名」だったことを知る。 買い物の帰り、奈々はノブといろんな話をし、ナナには花火大会に誘われたことだけを話すのだった。ちゃんとタクミと別れようとする奈々、ポスターもはがし、電話で「さようなら!」 と言い、終わらせた。早速翌日ノブの元へ行き、その日のうちに一線を越える・・・。

* 第24話 *
ベッドでラブラブのノブと奈々。朝帰りするとナナに突っ込まれ、うろたえるが、すぐにちゃんと話をする。ナナはすべて理解しているようだった。 奈々に非通知拒否されたタクミはわけがわからず怒る。ナナからノブと奈々のことを聞いていたレンは何も言わずにいた。 奈々を自分の手元に置いておきたいのだ、というナナの気持ちを知ったノブ、男と女は愛で繋がれるのか、と問うシン、そのシンと彼の父親との関係をヤスは知る。


感想
ブラストが人気急上昇で、レコード会社との契約にあたり、バンドとしてのいろんな話が出てきだしたね。シンの家庭のこと、父親との関係のこと、いきなりメジャーよりもインディーズから、とかとか・・・。 今後、もっとそういう場面は増えるんだろうなあ。

しかし美里ちゃんはほんとにかわいい。お風呂上りの姿なんかもう抱きしめたくなるね(笑)。パジャマ(?)寝巻き(?)何か言い方あるんだろうけど(汗) 超・可愛いやん! バンドのことも、あのヤスが感心するくらい色々よくわかってるし。ただのミーハーでバカじゃないところもすごいよ。でも「偽名」なんだな〜・・・(汗) この先、この人物も要注意だわ〜・・・。

シンとレイラも徐々に微妙な関係。段々、会う度にお金のやり取りするのがいたたまれないのか、二人の切ない表情が何とも言えない。

久々に「脇キャラ」(汗) 章司出てきたねえ〜。幸子も久々登場。やっぱり可愛いやん(汗)・・・。 この後、奈々と章司の一件で語り合う京助と淳子、すんごいいい感じなんですけど!!二人の目から見た奈々と章司ってのがよくわかるし、そこから「なるほど」と納得することもでき、そして二人のお互いの愛もよくわかる。 ほんと、うまいことできてるなあ〜と感心せずにはいられないな。京助の「おれが浮気したら・・・」って言葉に「なぶり殺す」と答えた淳子。一瞬驚き、そして安心した、と言う京助がとっても素敵♪

ナナの所有欲の強さを語るノブとシン。ちょっと異常だと感じるシンは、まだ本当の愛を知らないんだよね。シンの家庭の事情はまださっぱりわからないけど、血の繋がっていない父親がいて、愛情を受けてはいないことはわかってるが、母親のことは 何もわからない。とにかく、愛情を受けて育ってなくて、そして女性もまだ愛する対象にはなってないんだろうね。愛されることもまだ知らない。 なので、「男と女は愛で繋がれるのか」というノブの疑問に、シン自身も答えが欲しかった。ノブと奈々が結ばれて純粋に喜ぶが、 「自分で確かめろ」とノブに言われても、「僕には無理だよ」と答えるしかできないシン、とっても寂しそうな表情です。。。

そして「モノローグ」。ここでもかなり気になる言葉が。
23話、「あの猫脚のバスタブはもうここにはないよ」・・・バスタブがない??何があったんだろう?? そして19話と似ているが、24話、「あたしは今もナナの名前を呼び続けている。どんなに痛くても、応えてもらえるまで」・・・やっぱりナナはそばにいないんだなあ。。。


「勝手に」 奈々の心理分析
この巻の終わり、京助と淳子の会話は目からウロコでした。ずっともやもやしていたものを、この二人がすべて語ってくれました!! ズバリ的を得ていて、スッキリしました。

「奈々はおれ自身を好きなわけじゃなく、奈々を好きなおれを好きなだけだ!」 by 淳子(章司)
奈々のことを・・・ タクミ⇒好きなのかどうかわからない⇒不安   ノブ⇒好き⇒安心

「痛手に弱そうだから、傷付けられたらとにかく逃げたくなるんじゃないか?」 by 京助
タクミ⇒傷付いてボロボロになりそう⇒不安⇒逃げる   ノブ⇒そんな心配はない⇒安心⇒逃げない

「パッと逃げてパッとフタして相手と向き合おうとしないんだよ」
「影でいくら泣いてもそんなの一人芝居なのに・・・」 by 淳子
タクミに電話で「さようなら!」の一言(パッと逃げてフタ)⇒何でこんなに愛のない男に・・・とか、私の言葉に傷付くはずがない・・・とか、ただの幻想からようやく目が覚めたとか、一人で勝手に 解釈している(まるで向き合ってない)⇒タクミは別れたつもりはまるでない(結局奈々の一人芝居)

すべてが納得!タクミ=夢、ノブ=現実 というよりも、タクミ=不安、ノブ=安心 という、ごく単純なことだったんだ。
あんなただの勢いの「さようなら!」の一言で、終わったとしてノブの元へいくのは浅はかとしか言えないかも。しかもさっそくヤッてるし(汗)・・・。 まあでも、それも奈々の弱さなんだなあ。。。


「勝手に」 タクミの心理
美里が夏休みの間、居候することになったので、家にこないようにとの奈々からのメールを見たタクミはすぐに「居候ってオンナー?」という電話をかける。 何だかんだいってもやっぱ、気になってるんやん、とちょっと安心。そして奈々に「会いたい」って言われてすっごく優しい表情。これもかなりツボなんだよね〜(笑)
この表情がもうタクミの気持ちを物語ってるかなあ。嫌だったらこんな顔しないし、ただほんとに愛しい と思ってるからこそ、って感じがした。しかも、奈々の立てる物音にまったく気付かないで熟睡するほど疲れてるのに。目が覚めたとき、メモを読む顔も穏やか♪
ノブのことで「話したいことがある」ってメールでも、すぐに電話かけてきたし。でもそのあとの「まさかガキでもできた?」はいただけない。確かにデリカシーないな(汗)。 けどそれで「怒っちゃったよ」と青ざめてるところがまた憎めない。
非通知拒否設定されてまじめに怒ってたし。好きじゃなきゃ怒らないよなあ。自分の発言で怒ってそうされただけ、と思ってる彼が気の毒だ・・・。


7巻のここがツボ!
「朝ごはん持ってきたのダーリン」 ⇒ ノブの家に奈々の料理を持ってきたナナ。この時の髪型と目がかなり好き。
「あたしやる前にイッちゃうに100円!」 ⇒ ノブと奈々を買い出しに行かせたというシンのセリフを聞いた時のナナ。こういうことを普通に書いて載せているこのマンガが大好き!
「テレパシー?」 ⇒ 買い出しの帰り、奈々がノブに何で私の考えてることがわかるの?と聞いた時、またまた暴走癖。ノブ同様、私もそんなドリーミーなところがツボ。
ババババ ざぶーーっ ⇒ ノブのことを話したかった奈々、バスタブにいるナナの元へダッシュ、そして湯船に飛び込むこの場面、大好き。