NANA COMICS #4
   コミックス4巻 2001年5月20日 第1刷発行
* 第9話 *
章司に「あとで家に行くから」と言われるが、バイトが終わるまで店の前で待つ奈々とナナ。そこへ幸子と章司が現れ、ナナの問い詰めに「彼女」だと言った章司。奈々はついに事実を知ってしまった。 翌日、淳子が心配して部屋を訪ねる。「もっと人に対しての思いやりが必要だ」と言われる。
実家の母から郵便が届いた。それはトラネスのライブのチケットだった。何と席は最前列。辛くても生きてればいいことあるね。。。

* 第10話 *
奈々を心配する京助と淳子だったが、当の本人はトラネスのライブのことで頭がいっぱい。そしてこの日はブラストのライブだった。ここで美里と初対面。 そしてこの時が4人揃ったブラストの初ライブである。美里を家に泊め、翌日はナナと二人で出かけてしまい、取り残される奈々。 一人で出かけた帰り、スーパーで幸子を見かけ、逃げ帰り、部屋に戻ると美里とナナが仲良くしていて、ついナナにつらく当たってしまうのだった・・・。

* 第11話 *
美里と部屋を出たナナは早朝に一人でヤスの部屋へ。その後、自分の部屋に戻り、奈々の謝罪を受け仲直り。美里にも謝りの電話を入れるが、そこでレンがブラストの元ベーシストだったことを知る。 気になってしょうがない奈々はノブの部屋に行き、二人の過去を聞いた。直接ナナに聞けない奈々だったが、ナナはトラネスのライブに一緒に行くと言った。夜中、またもやヤスの部屋のチャイムが鳴る。ドアを開けるとそこにはレンの姿が!・・・

* 第12話 *
トラネスのライブは奈々の地元、イデアホール。二人は奈々の実家へ。小松奈緒(姉)初登場。ナナの家族のことを初めて知る奈々。「これからはもっといろいろ話すから、何でも聞いてくれ」と言われ、 レンのことを聞く。「知っててつれてきてくれてありがとう」とナナは言うのだった。ライブ会場、喫煙所でナナはブラストとバンド名が決まった時のことを思い出していた。ギターの真ん前の席、ついに現れたレンの姿にただ涙を流す二人のNANAだった。


感想
何も知らずに章司の帰りを待つ奈々。幸子と章司の姿を見て、どんな反応をするのかと思えば、取り乱して怒ったのはナナの方だった。これまた意外。 ここでも幸子、なんつうか健気でかわいいんだよねえ〜(汗) 殴りたいなら私を殴りなさいよと言い合いしてる3人を見て、立ち尽くす奈々。あまりのショックに言葉も出てこなかったのかなあ。 とり返せ!というナナの言葉に「いらない」って、ちょっとショッキングなセリフだったわ。

心配してやってきた淳子、彼女の言葉はもっともだと思った。女同士だからって奈々の味方するわけでもなく、両方の友人として、冷静な意見だよね。 奈々にしたら味方して欲しかったと思うけど、「相手を思いやらないとダメだ」って言われてハッとした様子だった。今までの自分を反省したんだろうか??
ジャクソンで京助&淳子が章司と偶然会う。奈々に謝りたいと言う章司に京助、ここでも的を得た発言!そりゃ確かにそうだよなあ。けどそんなこと言いながら、ちゃっかり 幸子へのプレゼントの花をかかえて帰るところがびっくりね。

奈々はというと、これまた意外にも元気。トラネスのライブチケットが手に入ったのもあるけど、ナナの存在がかなり気を紛らわせてるみたいね。 「いらないよ彼氏なんか。もう恋なんかしない」ってセリフはドキッとするようなシビアな表情だった。 ナナとなら女同士だし楽だし安心だ、という気持ちは何かわかるような気もするなあ。

ブラストの初ライブはかなりかっこよかったと思う。マンガなので音が出ないのが残念だと心底思った(笑)。 美里が興奮して泣き出す気持ちもすっごいわかる。奈々は初めてのステージライブを見て相当驚き感動したみたいだけど、同時にステージのナナを一瞬で遠くに感じた様子だったね。

奈々に怒られてヤスの部屋へ行ったナナ。寂しさを紛らわせたかったんだろうか。ヤスにとったら何が何だかわからないだろうなあ。ここって後々貴重となる、ヤスの素顔が見れるのよね。常にグラサンしてるからな〜・・・。 「ナナ、寝るなら家で寝てくれ」というヤスのセリフは男としての理性の問題からなんだろうか?とちょっと気になったワンシーンでした。

美里との電話でレンとナナの過去を知った奈々、そりゃあ驚きでそして気になるだろうなあ。うまくいってほしいと願うあまり、またしても妄想癖、大暴走(笑)。 ついにトラネスのライブ、果たしてナナはちゃんとステージを見るんだろうか?!土壇場で帰っちゃうかなとか思ったけど、ちゃんと来たね。よかったよかった。あの涙にはどんな思いが込められてたんだろう。

そういえば、ヤスの部屋にレンが!!「またおまえか」ってことは、すでに二人は何回か会ってるのね?!


「勝手に」 奈々の心理分析
「本当はとても計算高くて、何の見返りも期待せずに章司のことを待ち続ける程、もう純粋じゃなかった。けど純粋なフリをした。ナナに嫌われたくなかったから」
もちろん、素直に章司を待ちたかったんだろうけど、ナナにどう思われるか、って考えたら怖かったんだろうね。
信じて疑わなかった章司の口から幸子を「彼女」だと聞いた瞬間は、たとえようもないショックだったと思う。 ナナの怒りはありがたかったかもね。

「裏切りを許せるほど大人にはなれなくて、傷ついてもすがりつけるほど一途にもなれなかった。私の負けだよ」
これは複雑だよなあ。大人だったら裏切りを許せるわけでもないと思うし、裏切られたらそりゃあ傷つくし、自分から離れた男にすがりつくのが「一途」とは私は思えない。 でも他の女に行ってしまった時点で「自分の負け」ってのはわかるな。

トラネスのライブチケットが当たり、そしてブラストのライブでかなり気を紛らわせてる様子。とにかく章司のことは考えないように、ナナがいれば寂しくないから。 女同士だし、楽だし、安心。と思ってたのに、美里の出現で変にやきもちみたいなのを感じたり、幸子を見かけて逃げ帰ったり、そして段々と自分の居場所をとられていくような感覚、孤独感、たまらなくなってナナにきつくあたってしまった。 そんな自分を反省し、ナナに謝り、美里に謝り、そこでレンとナナのことを知り、二人の幸せを祈り・・・う〜〜ん、どうやら章司のことを考える時間はほんとにないみたいね。。。このままうまく忘れられたらいいね。


「勝手に」 ナナの心理
この頃になってようやく、ナナのいろんな思いが見え隠れするようになってきたような気がします。 とは言っても、ナナの場合は難しくて複雑なんだよね〜・・・女として、そしてミュージシャンとしての思いが入り混じってるからさ。

初めて会った時から妙に人懐っこく、自分を慕い、明るくて優しい奈々、そんな奈々に美里と仲良くしているところで「私の家でもあるんだから、勝手なことしないで!」 と怒られる。ナナは久しぶりに会った美里と楽しく遊んだのが奈々を怒らせたんだと思い、申し訳なく、そして悲しく思ったんだろうな。「今まで特に親しい女友達なんていなかった」 と奈々の実家で話しているが、ここはまさしく不器用で孤独だったナナが「うまく付き合えなかった」場面だったのかなあと思った。

寂しい思いでヤスの部屋へ行くが、これまた素直じゃないので寂しいとも言えないってとこかな?? 家に戻ると奈々が飛び出して謝ってきた。ちょっと戸惑ってる様子だったけど、嬉しかったと思う。泣いてすがりついたかと思うと美里を思って慌てふためいて、 そして一緒に夕食食べようね、と喜んで出かける奈々。忙しくて疲れるヤツだなあと思う一方、素直でかわいいなと思ってるはず。美里ちゃんに謝りたいよ!と言う奈々を見る目はすごく優しかったもん。

レンとのことを知っていて、何も言わずにライブに連れてきてくれた奈々に「ありがとう」と言った、その気持ちは複雑だろうなあ。 何も聞かずに連れてきてくれて、ってことかな。「今でも好き?」と聞かれ、一言では言い表せない気持ちだったと思う。 ステージでの2年ぶりのレンの姿を見て涙を流したナナの気持ちは、ただの一人の女としての気持ちだったと思いたい。


4巻のここがツボ!
「そらそーだ・・・」 ⇒ 章司に殴りかかろうとして幸子に「関係ないのはそっちじゃない!」と止められ、ふと我に帰るナナ。それで引き下がるのか?!おもしろいけど。
トイレでのナナ ⇒ トラネスのライブチケットが届き、絶叫する奈々の声に驚くシーン。パンツはちゃんと履いてから出てきましょう(笑)
幸子のファッション ⇒ 章司と奈々・ナナとの修羅場(?)の時、そしてスーパーで買い物してる時のスカート、あれはリュックと帽子とお揃いなのよね。可愛いよお!
坂上さん ⇒ 奈々の行動に真剣に怒り、そして真剣に驚く坂上さん。・・・ムダなのに・・・(汗)