NANA COMICS #19
   コミックス19巻 2008年5月20日 第1刷発行
* 第70話 *
未来。皐と奈々、買い物中。もうすぐバレンタイン、ということで、チョコの話題。その後、高倉家へ。自宅へ戻るとタクミから電話。ナナの歌っていた店が分かった。忙しいから、とすぐに切られる。公園で歌うレイラ、そしてそこには謎の少年が・・・
現在は2月14日。奈々は手作りのケーキ。そしてレイラは「感謝の気持ち」とタクミにチョコを渡す。

* 第71話 *
ノブと朝海、バレンタインを過ごす。奈々、「週刊婦人」を立ち読み中、倉田と接触。タクミ、レイラのチョコを受け取った後、レイラの想いを振り切れず、キス。レンと奈々、電話でナナのことを話す。その夜、707号室で過ごすナナと奈々。ヤスが迎えに来て、寮に戻る。

* 第72話 *
翌日。仕事に行きたくないとボヤくタクミ。シンが今月中に帰って来れそうだと奈々と会話。レン、薬が切れて禁断症状。成田の元へ。タクミは浮ついてるレイラに一喝。そして内輪もめ。朝海、仕事の帰りに杉本から映画の話を聞き、興味がわく。

* 第73話 *
シン、家庭裁判所を出る。寮に戻るも、顔を会わせ辛く引きこもるが、ヤスの話でみんなに頭を下げる。ナナとも和解。そして奈々に電話をする。タクミが出て、レイラを何とかしてくれと言われるが、今は無理だと話す。タクミ、木下からの電話で成田の元へ行き、レンに薬を渡すなと告げる。奈々を通じてナナに忠告するが、伝わらない。そしてタクミはレイラの部屋へ。。。


感想
この未来シーンはほんとにぶっ飛んだよなーー!!
バレンタイン間近、チョコを美味しそうに眺める皐がカワイイのなんのって!!!
「誰にあげるの?」「お兄ちゃん?」・・・へえ、お兄ちゃんか。



・・・・



おに、おおお、おお、お兄ちゃん?!?!



もうびっくりだよね。

でもってレンのデカ写真。それをバックに「蓮はどうしてるの?」との会話。あたしゃ、これでとうとう「本城蓮死亡説」を考えたよ・・・(泣) あれから何ヶ月か経って何話か進んだのを読んだけど、やはり、あの写真は生存してるには不自然すぎ。
それにしてもタクミはほんとにつれないね。忙しいのは毎度のことなんだけどさ。
そして謎の少年!!さらに謎が・・・もう未来編はこれから徐々に謎が解けていくのかと思いきや、いやはや、恐るべし。。。


パカッと開けた箱の中には奈々の手作りバレンタインチョコケーキ♪♪
わざわざナナのために作ったけど、ナナは帰らないの一点張り。何があったのか、ほんとは美雨から聞いて知ってるんだけど、ナナの口から聞けないのがとても寂しそう。そしてこの奈々と美雨の会話、2人の捉え方が全然違うのが対照的です。美雨が第三者の立場で物事を捉えているのに対し、あくまで奈々はナナ寄り。まあ、ナナに対する思い入れが違うんだけどね。そして美雨はものすごく要点を掴んでる。

トラネスメンバー出動、勢揃い。レイラがいつになく爽やかな(?)笑みをタクミに向ける。あれかな、ちょっとでもタクミの思いが通じたのかな。


・・・・・と思いきや・・・・・


いや、これは後回しにしよう。

ナナが707号室にいるせいで、奈々が入り浸って困る、さっさと連れて帰ってくれ、とレンに話すタクミ。ここも何気にスキ☆絶対、本気で言ってるもんね(笑)

そんなタクミをよそに、707号室のナナと奈々は最高だよ。ほんとに奈々は恋する乙女みたい(笑)。
「子供のことなら心配すんな あたしが食わせてやるよ」
ってナナもこれ結構本気で言ってるし。奈々は「プロポーズ?!」って真面目にドキドキしてるし(笑) んなわけねーっつーの!(笑)

ピンポーンとナナを迎えに、寮に帰って来い、というヤスに「でもあたしは一から一人でがんばりてえんだよ」。 「あたしの家はここだけだよ 自分で探して見つけたんだし」と奈々にも話していた。まあ、確かに、上京してスタートした場所だからなあ。そこからまた一人で、ってのもわからんでもないけど、もう一には戻れない、というヤスの言うこともわかる。確かに一人でここまでこれたわけじゃないし。心配かけるほうがよっぽど迷惑だと言われちゃ、そりゃ何も言えんわな・・・
ヤス。。。ステチ(ぽっ♪)

バレンタイン翌日。仕事に行きたくない、というタクミと奈々の会話、これも最高。何か2人のやりとりは毎度毎度、おもしろいんですけど。いやあ、良いわ!!
「今更おまえに好かれてもな」と言いつつ、「何うぬぼれてるのよ」と浅野さんの名前を聞き、マジメに「誰だよ」と反応して、そして「サラリーマンには負けねえぞ」って言うあたり、いやいや、良いってば!!(笑)

シンがやっと家裁から出てきた!!ピアスが何もないとシンって感じしないね。
そのまま部屋に引きこもるシン。怒るナナ。「おれが行くからおまえは飾りつけでもしてろ」って「クサリ」を手渡すヤス。「幼稚園かよここは!」といいつつ、その後、しっかり壁に飾ってあるところがかなりツボ!!
ヤスの「喝」で、やっと(?)みんなに頭を下げるシン。「今度こそ本気でがんばって きっとレンを越えてみせる」と断言し、ナナと再び握手。ここ、いいね。これはまた一からスタートって感じで。

薬の中毒がかなり悪化しているレン・・・72話の頭で、持ってた分を全部トイレに流して、手元になくなったから、禁断症状が出て、また成田のところに行っちゃったんだ。。。止めるつもりで流したのに、結局また手元に戻ってきちゃったわけか。。。その状態を見た木下が、タクミに相談。そして成田を一発ガスッっと。ここはまあスッキリだったんだけど、その後、奈々に電話をするところがなあ〜・・・まあ、直接ナナに電話してもまともに聞かないのをわかってたんだとは思うけど。そこはまず、ヤスに電話、ってのがよかったんじゃないの?!と思わずにはいられない。ヤスが何か察知してくれればいいんだけど、正直、ヤスもそこまで気がまわらないかもしれないしね・・・彼にはほんと、心配事が多すぎるよ(泣)


今回、奈々の語りの部分ですごい気になった箇所があったので、チョット考えてみた。

ナナと707号室を後にして 白金のマンションに帰ったら 何倍もあるはずの部屋が 急に狭苦しく感じた
上京したとき 無限の可能性がある様に思えた未来は 全てここに収まる形にしなければいけないんだ

だけど多少息苦しかろうと ここがあたしの生きる場所

夢と現実との違い、なのかな?確かに707号室で暮らしていた頃は、無限の可能性があっただろう。ナナも、ブラストメンバーもいて、みんな夢に向かってまっしぐら。自分もその中にいて一緒に夢が見れた。707号室にいると、いつでもあの頃に戻れるような、そんな気がしてるのかもね。だからまたナナとここで暮らしたい、とか思うんだろう。
でもタクミとの結婚生活はまさに現実。その中で、確実に自分に出来ることを見つけなくてはいけない。倉田の「君はただの勘違い女だ」というセリフを思い出し、あたしに出来ることは何だろう。やるべきことは何だろう、と模索する・・・

タクミが例えどこにいようと その間すっかりあたしの事を忘れていようと
疲れたら帰りたいと思える場所を 作らなければと思った それしかあたしに勝算はない

そして出た結論がこれなんだろう。タクミとレイラに何かあっても、例え何があっても泣き寝入りしない、断固戦う!と自分たち家族を、今の生活を守る!という決意。例え外で何をしていようと、文句言って居心地悪くすれば逆効果。
「きっと女にふられたからだと思うの でもどーせまたすぐに作っちゃうから ママの戦いは終わらないのよ?」
とシンに話すのも、ある程度は本気なんだろうな。それでもそう決めて実行する、ってなかなか出来ることじゃないと思うわ。頭ではわかってても、気持ちがついていかなかったり。奈々もほんとに強く逞しくなったんだね。


タクミ&レイラ
ほんとに考えたくないんだけど、でもこの19巻はこれに尽きるよなあ〜・・・(泣)
文句は散々言ったので、ここは落ち着いて考えます。自分自身、整理するためにも。18巻までさかのぼりつつ。

ロンドンから戻って、シンにメールをするレイラ。そしてまた小指の指輪をはめる。。。やっぱり忘れることはできない。何もなかったことになんてしたくない、そんな気持ちだった。(はず。)そこでシン逮捕事件。タクミがレイラの元を訪れ、シンと会う方法を考え、伝える。「こうなったのはあたしのせい」とレイラ。一方、タクミはおれのせいだ、と言う。シンとレイラを追い詰めたのは自分だと。でもレイラの幸せを奪いたかったわけじゃない。そんなことのためにトラネスを築いたわけじゃねえ、と切ない訴え。レイラのためを思って、レイラの幸せを願うからこそ、と考えてした行動が、結果的に2人を追い詰めることになり、こんな事件まで起きてしまった。。。

そんなタクミの思いを、やっとレイラは知ってくれたんだ、と思った。あの涙はそうだと思って疑わなかった。(甘かった。)

それから約2週間後のバレンタインデー。
「シンちゃんとはもう会うつもりはない」と、タクミにチョコを渡す。「感謝の気持ち」と。ふんふん、「感謝」、ええんちゃう?!

タクミがこれを受け取ってくれなくても もう寂しさに負けたりしないもん
あたしにはタクミが認めてくれた歌があるから

なるほど、そういう結論に至ったわけか。
自分のせいでシンがこんなことになった。もう会わないほうがシンのため、そう思ったのかね。寂しいけど、それでもタクミが認めてくれた歌があるから、その寂しさには負けない、って??でもそこには「結局誰を好きになっても捨てられなかったポジション」ってのがあったんだよね。そこに戻ったのかな。それとも、ずっと封印してきた自分のその部分をついに受け入れたのかな。

そこまで言ったレイラに、

「でもおまえには恨まれても感謝される覚えはねえし」

って、これもヒドイんだよ。タクミは何気に言ったのかもしれないけど。自分を思ってくれるタクミに感謝の気持ちを示したのに、拒否ったわけだよね。ここでもっと他の言葉を言ってれば、

「もう強がりも疲れた」

なんて言って、しがみつくことなんてなかったと思うんだよ・・・まあ、あくまで「仮に」の話だから、わからんけどさ。
きっとこれはタクミが言わせたんじゃないかな。もしかしたら、レイラはギリギリのところでそう決心して伝えた、なのにまるで相手にされなかった。そりゃ疲れるわ、って話かも。

そして、そこでタクミがレイラを抱き締めたことに対し、レイラは驚いてるんだよね。予想外の出来事だったんじゃない?いつものごとく、「離せ」、と振り払われると思ってた。それでもどうしても言いたかった。ただ訴えたかった。この時点では、ほんとにそれだけだったのかも。でもタクミに抱き締められ、きっとすごく驚いた。んで

「おまえはおれにとって 誰より特別な存在なんだよ」

にも驚いてる&喜んでる(と思う)
愛人の一人に・・・と言われ、少しでもこの気持ちが伝わるなら、それでもいい、愛人でも何でもいい、とその場の流れ&勢いでそう思った点はあるかもしれない。そしてついにキス!!!!いやーーーービビッたね。なんじゃこりゃああああ!!と思ったよ。けどここはタクミもやっぱり何度考えても、流されたんだと思う。彼も男だってことよ。それも「ただの男」(汗)。

そして翌日。チョーーー浮かれてるレイラ。(うざっ。)
まあでも、わからんでもないな。今まで散々振り払われてきた自分の気持ちが、やっと伝わったんじゃないか。やっと受け入れてくれたんじゃないか。そりゃ、キスしちゃったらそー思うわな。なのに「シンと縒り戻せ」と言われりゃ、そりゃ「何それ酷い!」ともなるでしょう。「こんな時によく他の男に欲情できるよね」ってタクミも確かにそうだけど、ここはアンタも悪いよ。どっちもどっち。

自分を拉致犯に例えるタクミに、そうじゃない、と訴える。シンにも未練があるけど、結局タクミなんだ、わかってくれたんじゃなかったの?だからキスしたんじゃないの?私の気持ちが通じたんじゃないの?それなら愛人でも構わないのに。

シンと縒り戻す方がレイラの幸せだと思ってるタクミ。でもそれを拒んで幸せになんかなれなくてもいい!と言うレイラ。結局おれはレイラの幸せを奪うことになってしまうのか・・・(だったら流されなけりゃよかったんだよっっっ!!!)
その思いにまたハッとするレイラ。またまたタクミの気持ちをわかってなかったよね。

この一連の出来事、タクミはレイラのことを考えて発言してる一方、レイラは自分の気持ちをぶちまけるばかり。

でも、タクミもさあ、すごいレイラのこと考えてるんだけど、その割にはレイラの「気持ち」ってあんまし考えてなくない?何かふとそう思った。そこをもっと考えて、受け入れてあげてれば、こんなややこしい関係にはならなかったと思う。まあ、受け入れるってのは「タクミを好きだ」という気持ちも受け入れることになっちゃうから、あえて拒んでたんだろうけどね。でも「ある程度」でもよかったのにさ。

で、「頭冷やせ」と言われて考えるも、「タクミへの想いは一生捨てられない、でもシンちゃんに会いたい」って・・・・・結局、タクミに通じなかったから、今度はまたシンに逆戻り?!(最悪。)それでもタクミはちゃんと考えてる。「出直せって言ったのはタクミさんだよ?」のシンの言葉が頭をよぎる。シンには今はどうすることもできない。自分がそうさせたんだから、どうしようもない。
そして再びレイラの部屋を訪れ、「やっぱり王子様を待ってやれ」と。
そんなタクミの気持ちも、そしてシンの気持ちも考えず、「あたしとは会いたくないって言ったんだね」「夢だけじゃ生きられない!寂しくて死んじゃう!」 自分、自分。どこまでも自分。
タクミはそんなレイラの為にすら、それまでの間自分を犠牲にして繋ぎになろうとしたのか。まあ、それが正しいとは決して思えないけどね。でもそんだけレイラを思ってるってことだよね。

けどレイラにしたら、せっかく頭冷やしたのに、またそんなことされちゃ、これまた混乱するよなあ。突き放したり、抱き寄せたり、どっちやねん!って話やわ。
まあ、このグダグダの結果はどこかで出るんであろう、と待つしかない。2人の溝は埋まるのか、さらに深まるのか、じっくり見させていただくことにしませう。



ふあーーーーーーーーー疲れた!!!!!
悪態つきまくりたいところ、じっくり考えた!!!まとまってるかどうかはわからん(汗)・・・
ま、まだ実際続いてるコトだから、まだイロイロ考えんとあかんのやけど。