NANA COMICS #17
   コミックス17巻 2007年3月20日 第1刷発行
* 第62話 *
未来シーン、時はクリスマス前。707号室でシンと奈々が会う。謎の郵便物にはナナがロンドンで歌っている写真。
時は戻り、大阪の上原家までやってきた奈々、結局美鈴からは何も聞けずに後にする。新幹線の中で倉田と会う。シンのネタを持ち出され、邪魔するな、という言葉に頷いた・・・。自宅に帰る、と言い、シンは凌子と会う。

* 第63話 *
ヤスの部屋で舞が美鈴と自分の祖父の関係、そして「上原美里」を名乗った理由を話す。ロンドンにいるトラネス、オフは一人でスウェーデンに行く、とレイラが話していた。実家に戻っていた奈々の元に、奈美が発売されたサーチを持ってきた。ブラストメンバーはナナを心配し、ノブが一人で行くことになった。上原家では早速記者が張り込み、空広は美里に家を出るな、と言うのだった。

* 第64話 *
翌朝、ナナのマンションに行ったノブ。励ますノブをよそに、気にしていない様子のナナ。そこへ奈々が到着、レンが帰国するまでここで暮らすと言う。心配する他のメンバー、しかし奈々が来たから大丈夫という言葉に一同納得。ロンドンではついにレイラの口からシンのことが出て、レンは思わず抱きしめる。年末、大忙し&絶好調のブラストに奈々も大興奮だった。

* 第65話 *
年が明けて2002年、ナナの部屋で奈々手作りのおせちをブラストみんなに披露。ロンドンではレイラが風邪で寝込んでしまった。タクミとレンが言い合う。レイラの複雑な想いが、先日のレンとの会話で明らかになる。記事が出てからの上原家、それぞれ身を隠している様子、しかし美鈴は発売翌日に「逃げた」ということが発覚した。ナナと奈々はとても仲睦まじい様子。


感想
未来シーンはやっぱ、コーフンしちゃうよね。しかしここはちょっと未来だとわかりにくかった・・・・のは私だけか?!(汗)
12巻頭が真夏の未来シーン、んで今回は真冬のクリスマス。
「ナナはきっとどこかで生きている」
まだナナの消息がわかっていない様子。しかし、郵便物の封を開けたとたん、ロンドンで歌うナナの写真。そりゃびっくりだったろうなあ。そしてどれだけ嬉しかっただろう。さぞかし会いたいだろうと思う。

時は戻り、お好み焼き「うえはら」で探りを入れる(?)奈々。美里とついに対面し、舞のことに気付く。美鈴に話をするも、結局何も出来ず、新幹線に乗り、倉田と会う。マジで倉田コワイよね。ストーカーだよ(汗) 

舞がヤスに話す気になってくれてほんとによかった。ものすごい謎だった割には思ったほど悪意はないのもホッとしたよ。ここで明らかになった事実に関しては、「Cookie 63話」をご参考に。

ついに発売されたサーチ、奈々は自分のバカさを思い知り、上原家には記者が張り込み、そしてブラストはナナを心配し・・・・ヤスが「じゃあノブが一人で行け」って言ったのがすごく切ないと思った。自分もすごく心配してるのに、下手な慰めはかえってナナを苦しめることになる。「これ以上あたしの中に入ってこないで」という訴えに、「じゃあもうおれの前で泣くな」と言ったヤス、傷ついて泣いてるナナの傍にいてやることはもうできない、と自分で痛いほどわかってたんだと思うともう、ほんと切ないわ。美雨といい感じとは言っても、これはわけが違う(泣) だから素直に泣ける相手のノブを行かせたんだよね(泣)・・・

必死で励ますノブ、実家から駆けつけた奈々、ほんとにナナは嬉しかったと思うな。実際、美鈴のことはほんとに気にしてない様子だし、逆にそれでみんなの気持ちが伝わって、すごく嬉しかったと思う。みんなの心配をよそに、ほんとに元気なナナ、それがまた逆に心配で(笑)、シンの「しらじらしいほど元気だね。ほんとに大丈夫なの?」がやけに笑えます。そして舞の「ハチ子さんが実家から駆けつけてくれたんですよ」って言葉に激しく納得。その様子もこれまた微笑ましくて好きだわ☆

レンからのラブコールで、これまた素直に話すナナ。思わずレンも「誰だよおまえ ほんとに大丈夫?」って、面白い(笑) 逆にまた心配するレンだけど、ほんとに素直に嬉しかったと言うナナの言葉に心底ホッとしてる様子。

しかしそんなレンも、レイラからシンとのことを聞いて抱きしめるなんて、一体全体どーーゆーーことーーーーーー!!!!これにはほんとやきもきさせられたけど、でもこの2人がどうこうって、それはほんとに絶対ないと思うから、まあ別にいいんだけど、写真撮られて危なかったのに、ほんと懲りてないっていうかだよね。どこに記者がいるかわからんのに、もっと危機感持ってくれって感じよね。

んで風邪引いちゃったレイラを見舞ってそこでうたた寝してるタクミに気付いた時のレイラの心理はこれまた複雑。。。そっか、まだタクミを諦めきれてなかったのか?!?!どーーすんだろーーねほんとに。

サーチ発売後、気になってた上原家のこと。空広兄ちゃんは彼女の部屋から仕事に通ってたのか。そしてこれまたびっくりなことが。美鈴が書置き一つで「逃げた」とな?!?!おいおい〜〜〜(汗) あんだけ「関係ない」って言っといて、なんじゃそりゃだよほんまに。この先の美鈴の行動がかなり気になるところ。

レンのいないナナのマンションで仲良く暮らすナナと奈々。この仲良しの場面が、未来での誰から届いたのかわからないナナの消息を示す写真と対照的なのが切ないよね。ラスト1ページは描き下ろしですね。冒頭の未来シーンからわずか数日しか経ってない様子と思える。やっとわかったナナの生存。あたしから、手を差し伸べてもいいだろうか???・・・・


「勝手に」奈々の心理分析
ほんっとにこの時の奈々にはハラハラやきもきさせられたというか、ムリしないでって思わされたというか、何と言うか・・・・

「記事は全力で潰す」だなんて、一人でできるわけないよ、と思いながらも「いや、どうなるんだろう?!」って期待半分、諦め半分、でもやっぱ、無理だったよね。

何も認めようとしない美鈴を前に、以前レンとナナのスクープが出たときのタクミの言葉を思い出す。「事実かどーかなんてどーでもいいよ!」 ほんとにそうよね。世間は事実だろうがそうでなかろうが、記事に書かれたことを信じるもんだ。ここでやっとわかったのかな。

や〜〜〜っとヤスに電話しようとしてたところに倉田が登場。この人の言うことを真に受けちゃあダメだっつーの(汗) シンと凌子さんの写真を見せられてあんな反応、相手の思うツボじゃんよ。写真を取り上げたところでデータは消せないんだから、ほんとにもう・・・(汗) でも人間、いざああいう場に立たされたらあんな反応してしまうのかも、と思っちゃいますが・・・レンとレイラの写真のこと、タクミが揉み消したことを聞いて、うまく口車に乗せられて約束なんて、ほんとにもう(泣) 

結局ヤスには電話しないで、したかと思ったらタクミで、そしたらケンカ(?)して切っちゃうし(汗) 「だいたい倉田があんな約束守ってくれるとは思えないし」って遅いんだよ!!!

またまたや〜〜っとヤスに電話しようとしたところで奈美がサーチを手にやってくる!!「どこまでバカなんだろうあたしは」って、ようやくわかったか。いや、ごめんね奈々、責めてるわけじゃないよ。ほんとに。気持ちはよお〜くわかる。

あたしはあたしのやるべきことを きっと間違えてたんだ

そういうことだよ。その通り。一人でなんとかしようなんて思わなくてよかったんだよ。でもナナを思う気持ち、「あたしがナナを守る!」って思いがそうさせたんだろうけどね。確かにその時のパワーはすごいと思うよ。大阪まで行ったり、美鈴に直談判したり。でも実際、不可能なことって悲しいけどあるからね。

「ハチがいたらナナは頑張れるし おれも心強いよ」
ってノブの言葉に励まされ、心が軽くなる。あたしでも役に立てることがある。難しいことじゃない。ナナの傍にいてあげること、それでいいんだ。同じようにナナを心配する仲間がいる。一人じゃないんだ。ここでやっと安心できたのかもしれないね。

「レンが帰国するまでここでナナと暮らすよ」
んま〜〜☆☆♪ほんとになんていい考え!!!♪♪そーよそーよ、トラネスがいない、ってことは、タクミもレンもいないんだから、そうすりゃいいんだよ。名案だねほんとに。

でもそこで、毎日ラブコールをするレンとナナを見て、自分と比べて悲しくなっちゃう奈々。奈々はすぐマイナスに考えちゃうよね。でもそれで前みたいにいつまでも落ち込んだりしなくなったのがスゴイ。テレビの前でブラストを応援したり、みんなにおせちふるまったりと、自分の置かれた環境で楽しんでるのはすごくいいことだと思う。でもそれもナナと一緒にいるからそうできる部分もかなりあるんだろうな。それを思うと、ナナを一人にさせない、とはいったものの、自分がナナに助けられてる方が
デカイかも?!(笑)


「勝手に」ナナの心理分析
サーチ発売、みんなの心配をよそに、ほんとに元気な様子。ノブが必死に励ます姿は心底嬉しかったと思うな。そして実家から駆けつけた奈々。

レンとの電話でも、ほんとに気にしてないことがわかる。それはそれでいいけど、触れられたくなかったのは確かなんだよね。それが大っぴらになってしまったのは嫌だけど、それでもそれ以上に奈々の気持ち、ノブやみんなの気持ちが嬉しかった、だから頑張れる。奈々と一緒に暮らせるのも素直に嬉しい。だから大丈夫。
それはほんとに大丈夫なんだなあと安心できる感じね。

けど、「タクミが稼いでる金をあんたがどう使おうと知ったこっちゃない」 とか、
奈々>いーじゃん売り上げに貢献したんだし
ナナ>トラネスが売り上げた金で貢献されてもねえ
ってセリフが気になる。奈々も気にしてたけど。奈々は「トラネスをあからさまにライバル視している」と言ってたけど、それだけなのかな??・・・「ライバル視」とか、「タクミに依存して生きるあたしへの嫌味」というよりも、「奈々もトラネス側の人間」として無意識に思ってるからつい口から出たセリフなのかも??・・・とふと思った。うーーん、でもそれってやっぱりちょっとどこか悔しいとか、寂しいといった気持ちがあるのかもしれないな。純粋にブラスト側の人間じゃないじゃない、みたいな・・・?ほんとはどうなのかはわからんけど、それは奈々本人にはなかなか気付くことはできないだろうなあ・・・

「ナナちゃんはたぶん 自分に自信が持てないんじゃないのかな」
美雨がそんな風に思ってたことにもびっくり。そうなのかあ〜〜・・・
レンとうまくやっていけるだろうか、ハチとはこのままうまくやっていけるんだろうか、ブラストはほんとにうまくいくだろうか・・・
確かにそれは思ってるんだろうなあ。16巻でも不安定だったもんな。自信が持てないというか、常に不安と戦ってるって感じ??まあそれがイコールになるのかもしれないけどね。17巻ではあまりそんな様子は出てきてないけど。問題は、これらのことを奈々がまったく知らないってことかも?なんとなく美雨はそんな気がしてる、って感じだけど、奈々は「あんなに自信満々なのに?」って言ってるもんね。うーーん、その見解の違い、考えたらちょっと怖くなってきたよ(汗)


17巻のここがツボ!!
◎ 時期的にサンタさんかも知れないし ⇒ 真剣に言うこのセリフに呆れるシンの顔が最高。
◎ あたしの子☆ ⇒ いつの間に「醜いアヒルの子」を産んだんだナナ!!
◎ そしたら一目で恋に落ちてしまって ⇒ キラキラお目めに花しょった舞。頭からハートがびよよ〜ん♪
それを見るヤスの頭の上でナナが歌ってる姿がケッサク。
◎ お象煮? ⇒ いえいえ違いますシンちゃん!それは食べたくありません(汗)
◎ 夫婦じゃねえよ ⇒ 声を揃えて訴える京助&淳子。奈々、聞いてないし。