NANA COMICS #12
   コミックス12巻 2005年3月20日 第1刷発行
* 第42話 *
「皐」という6歳の少女が突然登場。どうやら奈々の子供のようだ。そしてどうやら6年後の様子。
時は戻り、多摩川の花火大会。やっぱり奈々はノブに会えないと言い出し、ナナはノブと言い争いをする。結局、会わなかったノブと奈々。 ナナの願っていた夏は戻ってこなかった。

* 第43話 *
奈々が家に帰るとタクミもいた。二人でいろんな話をする。そこでレンとナナが結婚することを聞かされる。そしてその為に自分たちの結婚は保留になってしまう。 しかし奈々はナナの幸せを祈り続ける。ブラストのCD発売日に結婚会見を開くことになった。レイラとシンの合同誕生パーティーが決定。

* 第44話 *
ナナはレンから奈々とお揃いの婚約指輪を受け取る。そして緊急記者会見が開かれた。ブラスト、トラネスのCDが同時発売。
場所は大阪のお好み焼屋。「上原美里」という人物が登場。その母親は美鈴ナナの産みの親らしい。「週刊サーチ」が突きとめていた。

* 第45話 *
ナオキが奈々を誕生パーティーに誘う。準備に慌てる奈々だったが、何とか出発。しかし、ブラストも来ると知り、自分は行くべきでない、と思うが、もうすでに現地に到着するのだった。


感想
42話、これは一体どういうことなんでしょう??今までリアルタイムでこの「NANA」を読んでこれらた方々はさぞかし驚いたことでしょう。 ま、これは後で徹底検証することにします。

そして、モノローグと視点がまたもや奈々に移りました。このモノローグも、いままでよりいっそう意味深なものとなったので、これも後で検証したいと思います。

物語の進展はというと、ナナとレンの結婚、一方タクミと奈々は延期、そしてシンとレイラの誕生パーティーといったくらいだね。 シンの誕生日のことでやいのやいの言っていたナナとノブ。しかし「楽しみだな♪僕そんなのしてもらったことないよ」のシンのセリフに時が止まる。 そしてノブは「タクミが来ても関係ない。シンがこの世に生まれてきたことを16回分祝ってやるんだ」。かっこいい〜〜!!ナナも「もちろん行くよ」って、 みんなシンを大事に思ってるんだよね〜。そしてこれを内緒で進めようとしていたヤスも銀平も。素敵なワンシーンだと思いました。

ついにナナの母親登場。それを突きとめた「週刊サーチ」むむむむ、これは一波瀾も二波瀾もありそうだなあ。 「上原美里」はあの美里ちゃんと何か関係があるのだろうか。しかし美里はナナの結婚が決まったのに、会いにこないねえ。 スクープの時は学校放り出してまで駆け付けたのに。やっぱ、結婚ともなると別なのかな。もしかして「美里はナナさん一筋です」って言ってたので、 裏切られた!なんて思ってる?!
上原美鈴はナナを捨てて、新しい男と家庭を作ったんだな。それが美里と兄の空広。家族の誰もナナのことは知らない。なのでいくら金を積まれても認めなかったんだろう。

タクミと奈々はほんとにいい感じになったね☆レンとナナの為に、自分たちの結婚は保留にするところ、そして記者会見の根回し、すごいてきぱき処理してかっこええ〜〜♪ 時間ができて家に帰ってきて、ソファで仮眠している前で奈々がテレビ見てるシーンはかなりツボ。


42話 徹底検証
とある夏の日、場所は「707号室」。
●「サツキと話してると昔のシンを思い出すよ。あいつが6歳児レベルだったってことか」 by ヤス
 「皐」という少女が6歳であることがわかる。 ということは、6年後の、それは「現在」ということになるのだろうか。
●多摩川の花火大会の日に、同じ痛みを抱えてみんな集まってくる
 みんなが同じ思いをしたってこと、それはとても悲しい出来事だと思われる。
●「しかしいつ会っても変わらないねヤッさん」 by ノブ
 ということは、みんな今はそれぞれバラバラの生活をしているということ。たまにしか会うことがないらしい。
●「良かったねサツキ。おじちゃんにお礼言って♪」 by 奈々
 ノブをおじちゃんと呼んでいるのでノブと結婚したのではない。そしてサツキもノブの子ではないと思われる。
●この部屋はあの頃のまま時間が止まっている
 二人で使っていた冷蔵庫や洗濯機はそのまま、しかしバスタブは猫脚ではない。それが何か大きな事件の気がする。
●「そんな心配しなくてももう大丈夫だよ」 by 奈々
 もう立ち直った、ということがわかる。そしてノブとのわだかまりも解けたみたい。
●ノブが奈々の手を握る。そこには婚約指輪と結婚指輪が。やっぱりタクミと結婚したんだろう。

時は戻り、奈々がみんなでやり直したいと言っていた花火大会の日。
章司と再会し、とてもその直後にはノブとは会えないと言う奈々。そしてノブもまた奈々に会うことはできなかった。 ナナはみんなで楽しかった夏の花火の日からやり直そう、できるよ、きっと、と思っていたが、奈々やノブの気持ちはそう簡単にはいかなかった。 シンもそんな二人の気持ちを悟る。楽しみにしていた花火大会だったが、みんなそれぞれ複雑な思いを抱えていた。

月日は流れ、いろんなわだかまりも解け、あの夏の日は戻ってきたが、ナナだけがそこにいない。あの時ナナが誰よりも望んでいた夏が、今ここにあるのに、 それすらも知らず、ナナは一人どこかでさびしく生きている。奈々やみんなはひたすら待つしかできない。 お揃いの浴衣を用意して、あの707号室で。


勝手に予想
上記の42話の検証と、モノローグを合わせて勝手に今後の展開を予想してみた。結論は出てないけど(汗)・・・

ナナとレンの物語を語り継いでいるよ
二人が結婚した後も、何かと世間の話題になっていた。それはもしかするとレンのマリファナも関係あるかもしれない。 でも恋する乙女たちがナナの歌を聴きながら〜ってことは、あまりドロ沼化なことではないと思うんだよね。

だけどあたしが見たかったのはあんな悲しい結末じゃなかったのに
もしかしたら、ナナは自殺未遂をするんじゃないか?!しかも、707号室の「猫脚のバスタブ」で手首を切るかなんかして・・・そしてそれを見つけたのは奈々。だからバスタブだけが取り換えられていた。 それだけでなく、精神も病んでしまい、誰も知らない病院に入院してるのかも。

レンと結婚して、ブラストもうまくいって、すべて順調だった。だけど歌いたくなくなった。奈々もそばにいない。 あたしの夢は歌で成功することだったはずなのに、いざそうなっても何も満たされることはなかった。人気絶頂のブラストのボーカリストの自殺未遂は世間を騒がせ、 そしてブラストは終わった。あたしはみんなを裏切った。みんなあたしに夢を、人生を賭けてくれたのに、それに応えることができなかった。 奈々のヒーローにもなれなかった。ずっと応援しててくれたから、頑張れると思ってたのに、あんたの思いにも応えることができなかった。 ごめんね、みんな。あたしを許してね。会いたいけど、また甘えてしまいそうだから、今はまだ無理だよ。元気でやってる?それからハチ、あんた今幸せ?

てな感じかな〜〜?!?!これはコミックス8巻、25話のモノローグともつじつまが合うような気がするんだよね。でも27話では「友達は今もうまく作れない」ってあるので、もしかしたら病院も退院して、 どこか誰も知らない場所で一人で生活してるのかも。レンとはどうなったのか、これがさっぱり予想できないんだよ。何らかの形で離れ離れになることは確かなんだろうけどさ。 もしかしたら、レンも自殺未遂の原因のひとつかもしれないし。

もうがんばってなんて言わないから、好きな歌を空を見上げて歌えばいいよ
ナナがそれほど苦しんでいたことを全く気付くことができなかった奈々。トラネスとブラスト、2大バンドのCD売上はまだ誰にも破られていない、そんなことがナナにとって何だったっていうのだろう。がんばらなくていいから、とにかく元気になって、 また好きな時に好きな歌を歌えばいいよ。と言うことなんだろう。

奈々と同じように、ブラストメンバーもナナの苦しい思いに気付けなかった。 だから毎年、花火大会の夏の日に「同じ痛みを抱えて」集まって来る。時の流れは人の心の傷を癒すけど、ナナの傷はまだ癒えてない。 みんなずっと待ってるよ。だからいつでも戻って来て・・・。

その思いを、ナナは知っているのかどうなのか・・・。