NANA COMICS #11
   コミックス11巻 2004年8月16日 第1刷発行
* 第37話 *
奈々の家族とタクミがいよいよご対面、順調に話は進む。レイラがシンのメールに返信する。トラネスメンバーは日本に帰国。ブラストは所属事務所の寮に入ることに。 同じ寮の百合美雨登場。ナナが急に「過呼吸」の発作を起こす。

* 第38話 *
病院へ連れていかれたナナ、ストレスが原因で起きる発作だと聞き、若干弱気になる。帰国したトラネス、デビュー目前のブラスト、それぞれ仕事に明け暮れていた。 新宿アルタ前、ついにブラストのゲリラライブ決行。生放送の歌番組に、トラネスとブラストが出演することになった。

* 第39話 *
番組収録の日。ヤスはレンに警告をする。リハが終わり、ナナが楽屋に戻るとレンがいた。そこで何とレンはプロポーズ。 シンはレイラと車の中で・・・。
そして本番前、ここでナナとレイラは初対面なのだった。淳子が奈々の家に来る。穏やかそうな生活に安心したようだった。

* 第40話 *
いよいよ生放送本番、奈々&淳子、百合&美雨は、それぞれの思いで画面を見つめる。奈々は淳子に章司との一件を振り返って相談した。 寮のみんなで麻雀をしていたブラストたち、奈々からのメールで、夏に流れた花火大会が開催されることを知り、何とかしてみんなで行こうとする・・・。

* 第41話 *
何とかスケジュールを調整し、花火大会に行けることになった。奈々は病院の帰り、ジャクソンで章司と再会。お互い、別れ際のことを何気に話す。 そして笑って別れるのだった。レンとナナのことでタクミとレイラは口論。変装して「あの部屋」で待つブラストメンバー。奈々はちゃんと来るのだろうか?


感想
この11巻には5話も収録されてるんですね。何だろうって思ったら、12巻の発売で謎は解けましたが。

ブラストが事務所の寮に入って、またもや登場人物が増えたぞ!(汗) どこまで増えるんだ?!しかも出てくるだけじゃなく、結構絡んでくるからこれまたびっくり。10巻でマネージャーが登場するし、11巻ではメイクさんとか他のスタッフも出てくるし、 そして番組収録とかでどうでもいいような人(汗)もたくさん出てくる。もう、「紙面が人だらけ」って印象です。

奈々の家族と対面したタクミ。とても紳士的でますます惚れました(照)。そういえば、お姉さんがいるっていってるけど、出てこないのかな。アル中のお父さんも・・・。奈々もあまり詳しいタクミの家庭事情は知らないみたいだけど、 また後々見せてくれたらいいなあ。

レンはどうもマリファナをやってる、という、今までもやもやしてたものがはっきりしました。ホテルの空のバスタブで寝こむレン。タバコの箱の中からそれらしいものを見つけたレイラはトイレに流す・・・。 同じメンバー、もっと深刻に考えてくれ〜と思いました(汗)。でもそれは歌番収録の時に、ヤスがズバッと言ってましたね。スクープのため、ナナと話もできずイギリスへ渡ったレン。彼は不安でしょうがないんだなあ。 ナナのそばにはヤスがいるし。そして約一ヶ月ぶりの再会はスタジオの控え室。なんとその場でプロポーズ、そしてエッチ(照)・・・この絵もエロいなあ(笑)おもしろいけど。レンにはほんとにナナが必要なんだと思った。レンも何だかんだ言って弱いのねえ、って感じ。 けど意外な言葉で意外な展開だわ。
シンとレイラも車の中で・・・だし。続けざまに2カップルの○○シーンはかなりお腹いっぱい(笑)。 でもって本番前は「あら〜久しぶり〜♪」だもんな。うまいなー!

そして何より予想外なのは、奈々と章司が再会、そして和解(?)して、今度こそ笑顔でお別れしたこと。 こういう話ってなかなかできないと思います。それはやっぱり「時間」が解決した、ってことよね。奈々も幸せにやってるからこそできた話。 章司もほんとに奈々が好きだったってのもよくわかるし、前に京助&淳子が話してたように、ただ「奈々より幸子が好きになった」だけって感じ。 けど切なかったー(泣)。幸子は相変わらず可愛いし。

レイラとビジネスの話(レン&ナナの結婚)をするタクミはやっぱり冷静でかっこいい♪あっ、すいませんファン精神見え見え(笑) 「おれ自身をどう思うかとレンの話は無関係だ!」そーだそーだその通り!!「だから女は嫌いなんだ」って、そっか、奈々はそういうこと、言わないな確かに。

急にナナが「過呼吸」だなんて、何か心配。ああいうのって突然発症したりするもんなんかな。しかも「ストレスが原因」ってんだから、さらに心配。 大事にならないといいけどな〜・・・。


「勝手に」 ナナの心理
どーもナナはまだ奈々を取り戻そうとしている。「ハチ公を取り戻せ大作戦」をノブに拒否され、そしたらあたしとハチを繋ぐものは何だ?何もないじゃない。 そして過呼吸の発作を起こす。不安定な証拠だ。

忙しければ忙しいほど調子がいい。余計なこと考えなくても済むし。いや、そんな暇すらなかった。 待ちに待ったゲリラライブは、予想以上にあたしの名は有名で手間が省けて助かったよ。さすがレンだね。
ノブは寮の隣の女といい感じで、何か流されてばっかだな。でもあたしも結局レンに会ったら流されるバカの一人だ。

「レンと元サヤに戻る気がしなかったのはヤスの愛を感じてたから」・・・・って、そーーだったのか!! なるほど、それなら納得が行く。そしてそのヤスに報われない思いをさせ続けるのもナナにとっては辛かった。レンがいなくても生きていけるけど、ヤスがいないともうダメって、 また迷ってるのか?!流されてるんじゃなくて、「好きだから」なんでしょう!?

39話モノローグ、「たとえたった一人の人に呼んでもらえなくなっても」・・・この「たった一人」ってのは間違いなく奈々だろう。いやいや、奈々は呼び続けているんだよ。応えてくれるまで、 何度も、何度でも、って言ってた。やっぱり、二人の思いがすれ違ってるってことがよくわかる。

突然のレンのプロポーズを受けたのも、レンの気持ち、そしてバンドとしてのこれからを考え、何よりナナ自身がもうこれ以上会えない生活が嫌だった。 よかったよ、ちゃんとレンを愛してることを自覚してくれて。

バンドメンバーみんなで暮らしているうちに、家族みたいなものを感じてきた。今まで無縁だったものだから、すごく憧れてて、こういうのも悪くないと思っていた。たとえレンとの結婚話がうまくいかなくても、 この家族があるから悲観的になるのはよそう。そしてあとはハチがノブの嫁にきたら完璧だ。・・・・おいおい、まだその作戦を立ててるのか(汗)

41話ラストのモノローグ、「もしみんなにもう一度会えたら、あたしはきっとまた甘えてしまう。それが怖くてここから動けない」・・・奈々だけじゃなく、バンドのみんなからも離れて、ほんとにナナはひとりでいるみたいね。 そして「ここから動けない」って、どこにいるんだろう。会いたいけど会いに行けない状況ってことか??うーん、ますます謎だ・・・


「勝手に」 奈々の心理
テレビに出て、奈々を安心させてやりたいというナナの思いとは逆に、奈々は頼ってもらえないのが寂しいと思っていた。むむむ、ここでもすれ違いか・・・(汗)

タクミとの生活が落ち着いて、平穏な毎日が続いていた奈々は、ノブからのメールを受け取り、何と返せばいいかわからず、そして章司のことも思い出し、過去を振り返っていた。 章司に浮気された自分を、ノブと重ねていたんだね。そしてノブも自分と同じ思いをしているのではないか、と。でもどうしたらいいか答えは見つからない。そもそもこれが正しい、なんてものが あるのかどうか・・・。

そうこうしてるうちに、夏に流れた花火大会。みんなと再会できる日が来た。ふとジャクソンに寄ると何と章司が。 幸子との事を何気に話す二人。「全部辛い思い出になっちゃった」と言っていた奈々だけど、ここでこうして話ができたことはすごくよかったんじゃないかな。 笑って別れて、お互い「今度こそさようなら」と思っている。切ないけど、それでいいんだよね。もう別々の人生を歩いてるんだから。
そう、そして、以前に淳子が言っていた、「パッとフタしてパッと逃げて相手と向き合おうとしない」って言葉。 ここで奈々はようやく章司と向き合えたんだよ。ナナのモノローグにもあるけど、再び向き合ったときにこそ、失った大切さに気付くんじゃないか、まさにこの時の奈々は そうだったんじゃないかな。


11巻のここがツボ!
◎ 「つくづくヤスがいねえと何もできねえんだな、あたし」 ⇒ 携帯買ってレンにメールでもしてやれ、と車の中でヤスに言われ、隣の席で幼稚園児になっているナナ。チョーー可愛い!!
◎ 「おれナナと・・・」 ⇒ ナナと結婚することをタクミに相談しようとするレン。何気に、ウェディングドレス姿なのがかなりツボ。そして体から何か出てるタクミ、青ざめるレン、その一連の場面がかなり好き。
◎ セレブ奈々 ⇒ 章司との会話中に一瞬セレブ化する奈々。
◎ 707号室で奈々を待つブラストメンバーの変装 ⇒ 何を言っても、ヤスのヅラが一番ウケる!シンは可愛いし、ノブもかっこいいし、ナナもロングストレート似合うや〜ん♪