NANA COMICS #10
   コミックス10巻 2004年3月20日 第1刷発行
* 第33話 *
イチゴのグラスは2個とも割れたんだ、ということをレンから聞いたナナ。電話より会いに行ってやれ、と新しい住所のメモをもらう。二人で家を出たため、編集者に写真を撮られていた。 早速家を訪ねるが、シンと約束をした奈々は出かけてしまい、すれ違ってしまう。編集社はシンのことも調べていた。
翌朝、シンが目覚め、テレビをつけるとそこにはブラストのライブ映像が流れていた。レンとナナの「熱愛発覚」スクープだった。

* 第34話 *
あちらこちらで、それぞれスクープのことで大騒ぎ。タクミと奈々もお互いの思いがかみあわず、ケンカしてしまう。 当のナナは家にテレビもなく、突然記者が訪問し、何がなんだか状況がつかめない。心配したヤスがやって来て記者を蹴散らす。レンを始め、トラネスメンバーはイギリスへ行くことになる。 奈々はナナに会いに行くこともできず、京助&淳子の家でテレビを見ていた。取材陣に囲まれるナナは奈々にメッセージを送るのだった。

* 第35話 *
世間も彼らの噂でもちきりだった。レコード会社はマスコミの企みに乗るしかないと考える?!ブラストメンバーはホテルの部屋にかくまっていた。この流れでデビューが決まるが、それぞれ複雑な思いを抱えていた。 奈々はタクミがイギリスに経つ前に電話をし、何とか仲直り、婚約指輪の約束をする。

* 第36話 *
タクミが一足先に日本へ帰る。他のトラネスメンバーはそれぞれの仕事をこなしていく。ブラストはレコーディングを兼ねた強化合宿で山奥にいた。 イギリスにいるレイラに、シンはパソコンのメールで近況を語るのだった。半月ぶりに会うタクミと奈々。約束通り、婚約指輪を受け取る。
ブラストのゲリラライブが決定する。ヤスはついにナナへの思いを明らかにした。


感想
せっかくナナが奈々に会いに行ったのに、完璧なすれ違いで、めちゃめちゃもどかしい〜〜(泣)それにしても、マンションのフロントに人がいる、しかもホテルのフロント並みの対応で、かなりびっくりなんだけど!イマドキ、あんなマンションあるの?! で、奈々はというと、シンに会いに行くわけだけど、そこですべて話す。シンってほんとに大人びてるっていうか、何と言うか、だねえ。そして、編集社が突きとめたのは「シンの母親は自殺してる」ってこと。 そうだったのか。。。本当の父親は当分見つかりそうもなさそう。海外で育った、ってのはほんとだったのね。お箸使えないし(笑)。

ついにレンとナナのことが世間に発覚。そしてレコード会社とかマスコミとかのつながりというか、世の中ってこんなもんなんだ〜ってのがわかります。 それをしっかり受け止めるヤスと対称的なノブ。ヤスも賢いなあ〜・・・感心。そして取材陣を蹴散らすところはほんとにかっこいい☆ナナはこれまた意外と「利用させてもらうぜ!」なんて、予想外だわ。 かくまったホテルの部屋にいきなり美里登場。ほんと、学校は大丈夫なのか・・・。

ロンドンに向かうタクミたち。・・・・・「ステラ」って誰?!?!誰よ?!現地妻って?!何でレイラがそれを楽しそうに言うの?! 冗談で言ってるだけかな?とか思ったけど、タクミが一人で先に日本に帰った時もやたらと心配してたしさあ!!「元々恋人だったのに」って・・・・・?! もう、やめてよ、これ以上タクミと奈々が泥沼化するのは見たくないよ(泣)。

半月ぶりに会ったタクミと奈々はラブラブでめちゃ嬉しい!!♪♪しかもあの指輪の渡し方は反則だあーー!そして「サッちゃん」の靴もかわいいーー!! 彼の言う「優先順位」ってのは私はすごく理解できるなあ。男はそうでないと、って思います。「私と仕事とどっちが大事なの!」って人間もいますが、それは根本的に間違ってるのではないかと、私は個人的に考えてますので。


「勝手に」 ナナの心理
やっと、ほんとにやっと「蓮を好きだから」って言葉が聞けたじゃないですか!嬉しい。一緒にやってたバンド仲間のレンが上京して成功して、複雑な思いを消せないでいたナナ。 やっと再会して、ヨリ戻すつもりなんかなかったのに、何であたしはこんなに流されてるんだ。ってずっと自分で言ってたけど、ようやくこの言葉が聞けましたよ。 というか、ここでやっと自覚したのかなあ?いや、認めたくなかったのかもね。そんな自分の単純な気持ちを。

グラスのことをレンから聞き、ほんとに自分は何をやってたんだろうと深く後悔。レンの解釈ももっともだ。奈々があの手紙だけを置いていなくなったのもわかる気がした。 はやく電話したい、と思ったけど、住所を聞いて会いに行くことに。「ヒーローと言うものは、何があろうとヒロインの味方なのだ、ということを教えてやろう」って、そのセリフにただならぬ奈々への 愛情を感じるよ♪「ごめんねノブ夫」とか言って、やっぱ奈々が好きなんだよね。でも結局留守で会えなくて、フロントで追い払われて伝言すら残すことができなかった。 マンションの前でずっと待ってたのに、よりによってこんな時に奈々も外出なんて〜(泣)。

「また明日があるさ」って思ってたのに、ワイドショーのスクープでそれどころじゃなくなってしまった。 あたしはどうしても奈々に伝えたい気持ちがあったのに・・・。あんたのラブレター、その思いは確かに受け取った。私が何としても叶えてやる 見てなよ!あんたが見ててくれたら頑張れるよ。テレビに向かって伝えた。。。見てることを信じて。。。
ここでナナは、群がる記者に何を言われようと、レンとのことは何も心配していない。すごい信頼感を感じる。だけども今奈々に伝えなければならない、って思ったんでしょうね。 こいつらにそれを邪魔されてたまるか!ってことでのあの行動なんでしょう。ナナ〜!素敵〜♪

ヤスは自分の立場も考えずに記者殴っちまうし、ノブは後継ぎの未来を捨ててギターにしがみついてるし、シンはこのまま行けば破滅の道へまっしぐら、こうなったらもうブラストが売れるしか道がない。 あたしが歌わなきゃ、こいつらの未来もないじゃないか。ハチもあたしを待ってるんだ。あたし個人の意地やプライドなんか捨ててしまえ。もうとことん突き進むしかないんだ。 話題性だけでデビューが決まろうが、要はその後だ。売れつづけりゃあいいんだよ。何が何でも大物になってやるさ。
ようやく夢が叶う。だけども描いていた理想と、やってくる現実とはなかなかうまくはいかない。世の中、何かを得ようとすれば何かを捨てなければならない、やっぱりそういう運命なのだ。

レンを好きな気持ちはずっと変わらないのに、何でそんなに「どこか寂しくて、昔みたいにひとつになれない」なんて思うんだろう??ナナはレンのことを許してないのかな?? そしてヤスとの方が絆が強くなってしまった気がする、と思っている。何だかんだ言っても、同じブラストで、いつも近くにいるのはヤスだった?確かに、何かあったら飛びこんで行くのはヤスの所の方が多かったような気もする。 奈々の妊娠を知った時とかもそうだったし。美里とのことで奈々に怒られて、部屋を出たときも行ったのはヤスのところだった。そこでレンではなくヤスのところ、ってのは何なんだろうなあ。でもイチゴのグラス割ったときはレンのとこだったよな。 んーーむむむむ・・・・


「勝手に」 ヤスの心理
ついに、ナナへの想いを白状した(?)ヤス。レンも焦ったそのヤスの心理を考えてみた。

レイラと付き合っていた頃のことはよくわからないし、レイラと別れた心理もよくわからないけど、きっとその時は、まだほんとにバンドでやっていくつもりはなかっただけのことだと思うんだよね。 ナナが上京した時もそうだったし。

でもブラストが気になって、そしてナナが気になってついに自分も上京を決めた。波に乗って、デビューの話もうまくいきそうだった時にワイドショーのスクープ。 ナナの心に土足で入り込もうとしている記者を殴り、そして自分の職を失おうと、「これで心置きなくバクチが打てる」と言ったヤス。その言葉の裏にナナを大切に想う気持ちをすごく感じるんだよね。 ま、ブラストで成功することが目標なら、そもそも仕事なんてどうでもいいのかもしれないけど(汗)・・・

レンのセリフ、「やべえな。おれはナナの為にそこまで捨て身にはもうなれねえ」
・・・ってことは・・・?そっか、弁護士になるのってすごく時間がかかって、勉強に勉強を重ねて、そして見習い期間とかも経て、ようやくなれるもんなんだよね。 今までの努力、それをすべて捨てて、ナナに賭けたんだ??それはただのバンド仲間としてではなく・・・。
ナナに「あんたあたしにベタ惚れじゃん?」と言われ、もうごまかしようがないと思ったヤスは素直にそれを認めるのね。だけども何を望むわけでもなく、 「お前は気にせず歌ってろ」と一言。そこにもただならぬ愛を感じます。。。


10巻のここがツボ!
◎ 奈々の新居のインターホンを押すナナ ⇒ ドキドキして立っているナナの姿がめちゃめちゃ可愛い!!♪
◎ 「おれはおまえの事の方がよっぽど心配だ。今は行くな」 ⇒ スクープで大騒ぎ、奈々がパニックでナナの家に行こうとするのを電話で止める京助。 とても冷静、かつ的確な判断、いやあ〜さすがだわ!!
◎ 「人の庭荒らす暇あったらてめえの花を咲かせろや」 ⇒ 報道陣に囲まれたヤスが彼らに言ったセリフ。かなり名言ですね、これ。そのあとのレイラとナオキもかなりツボ。 「ハゲ」は関係ないよな(笑)
◎ ナナのメッセージを聞いて涙する奈々 ⇒ テレビの前で涙、そして耳とシッポが出てる後姿がかなり好き。
◎ 「いいやつだな西本」 ⇒ ガイアの西本さんからの差し入れのお寿司を囲むナナ・美里・ノブ。奈々が犬の耳とシッポなら、この時のナナは黒猫の耳とシッポ。 その姿はあまりにも素敵。
◎ 「巨乳♪」「いやオッパイじゃなくて」 ⇒ レンとナナの記事の週刊誌が発売、それを渡すタクミだが、表紙の写真に反応するレンの表情が最高!!
◎ 「いや別におれも自然にハゲてるわけじゃ・・・」 ⇒ ブラストに銀平というマネージャーが付いた。「あたしはハゲてるわけじゃなく坊主よ!」と言った彼につぶやいたヤスのセリフ。 確かにそうだよな(笑)。
◎ 「幸子・・・?」 ⇒ タクミに「2番目の中でも2番だ」と言われ、奈々の中でまた浮上した名前(笑)。「またあなたなの?」「トラウマ」という手書きもかなりツボ!